完璧主義をやめる方法|根本の願いと向き合うトレーニング

完璧主義をやめる方法|根本の願いと向き合うトレーニング

完璧主義に戻らないためには、根本にある願いを知って、向き合う必要があります。

「完璧なんて無理」と、できない自分を認めて一時的に自由になっても、
それまで培ってきた完璧主義思考はすぐにぶり返します。

この記事では、完璧主義をぶり返さないための方法をお伝えしていきます。

完璧主義を手放したはずが
いつの間に戻っている人に
おすすめの記事です。

なぜ完璧主義はぶり返すのか?

一度完璧主義から離れられても、すぐに戻ってしまう。それはなぜか?

完璧主義の根本には3つの願いがあり、その願いそのものは消えないからだと私は考えています。

  1. 今の状況を変えたい
  2. 傷つきたくない
  3. 理想の自分でいたい

「傷つきたくない」には、「人に嫌われたくない」や、「自分を嫌いたくない」、「失敗したくない」なども入ります。

これらの願いを叶える方法として使ってきたのが「完璧を目指すこと」なので、すぐに戻ってしまうんです。

根本にある願いとどう向き合っていくかが、完璧主義をぶり返さないためのポイントです。

3つの願いと向き合う方法

完璧主義の背景にある3つの願いは決して悪いものではなく、自然なものです。

ここでの問題は、願いを叶える方法が「完璧を目指すこと」だけになっている点。

  • 完璧でないと状況を解決できない
  • 傷つかないためには完璧を目指すしかない
  • 理想の自分を目指すには完璧でなくちゃ

と狭くなっている視野を広げることが必要です。

完璧を目指す以外の叶え方が自然と頭に浮かぶようになれば、完璧主義も薄まっていきます。

とはいえ、自然に頭に浮かばせるのが一番難しいんですよね。

私の場合、自分の不完全さを認めて一時的に完璧主義から離れても、ネガティブな場面では無意識に完璧を求めてしまいました。

この離れられなさは、
執着と呼ぶのがふさわしいと思います。

完璧主義の執着から離れるためには、日々継続して泥臭く、視野を広げるためのトレーニングをする方法が効果的です。

完璧主義をやめるためのトレーニングメニュー

完璧主義をやめるための、視野を広げるトレーニングメニューは次の通り。

  1. 客観視する方法を練習する
  2. 「その考え、本当に?」と問い直してみる 
  3. 「完璧にやらなくても傷つかない」を経験する
  4. 本来の理想を言語化して、完璧主義のすり替えを戻す

1.客観視する方法を練習する

視野を広げるトレーニングをするためには、感情に飲み込まれずに冷静に自分を見る力が必要です。

自分が完璧主義になっていると気づくのが案外難しいんです。

冷静に自分の状態に気づくための方法をご紹介します。

完璧主義のサインを知る

「あ、いま完璧主義出てるぞ!」と気づくために、完璧主義のサインを把握しておきましょう。

一般的なサインはこんな感じ。

  • ~べき、~ねばならない
  • ちゃんと、しっかり、やっぱり
  • でも
  • 誰にも相談しない
  • 自分にイライラする
  • 人の意見を聞き入れられない

人それぞれのサインもあるので、自分ならではのサインをストックしておけるとベストです。

私の場合、
「役割にやたらこだわりだす」「すぐ言い返す」とかもサインでした。

客観視するクセをつける

客観的に自分を見る練習をしていきます。

「立ち止まりクセ」をつけることが効果的です。

そのためには、疑問を持つ練習がおすすめです。

疑問を持つということは、出来事をすぐに飲み込まずに一旦立ち止まって見つめるということでもあります。

「AさんがBさんの悪口を言っていたよ」と聞いたときに、「それって本当かな?」と一度疑ってみれば、そこで立ち止まって考えることができます。
でも、「へぇ、そうなんだ」とそのまま受け取ってしまうと、立ち止まれずに流されていってしまいます。

目の前にあるもの何でもよいので疑問を持つ練習をして、立ち止まるクセをつけましょう。

ちなみに私は、お店の看板について
「これってなんでこういうデザインなんだろう?」と
考えるのを繰り返すことで立ち止まりクセをつけられました。

立ち止まり続けるための方法

サインに気が付き、「あれ、もしかして今完璧主義?」と一瞬立ち止まれても、すぐに完璧主義に飲み込まれてしまう可能性は大いにあります。

そこで、立ち止まり続けるための方法が必要です。

  • 物理的にSTOPをかける(輪ゴムパチン、刺激を与える、バタバタする、頭を軽くはさむ)
  • 声に出す(待って!STOP!いまでてる!はい!)心の声でもOK
  • 書き出す(外在化)
  • 深く息を吸う

これらの方法を駆使して、自分の思考が完璧主義に流れるのを止めましょう。

完璧主義の理由を考える

しっかり立ち止まれたら、現れた完璧主義がどのパターンに当てはまるのかを考えます。

解決したい?傷つきたくない?理想の自分でいたい?

どれかひとつに綺麗に分けられることは少なく、全部に当てはまることももちろんあります。

2.「その考え、本当に?」と問い直してみる 

根本の願い:今の状況を変えたい

「今の状況を変えるには完璧しかないのか?」と考えることで他の解決案が頭に浮かぶようにしていきます。

たとえば、

「子どもがよく幼稚園で喧嘩をしてしまう。優しい子に育ってほしいのにうまくいかない。もっとちゃんと伝えて人とのかかわり方を教えないと。」

と思っているケース。

この場合、

「私の伝え方が足りないから子供が喧嘩をしている」=「私の伝え方をもっと良いものに変えてちゃんと教えれば子供の喧嘩はなくなる」

と、「私の伝え方を変えること」が、「子供の喧嘩を無くすための唯一の解決策」となっています。

つまり、状況の原因が自分の未熟さにあると決めつけて、その状況を解決するには完璧に振舞うしかないと視野が狭まっている状況。

こういう考えが浮かんできたら、「本当に?」「もしかしたら違うかも?」と一度立ち止まって、他の可能性に目を向けることが必要です。

このケースでは、「もっとちゃんと伝えて人とのかかわり方を教えないと」に対して「本当に?」と疑うことで、

  • もしかしたら、教育の仕方の問題じゃないかもしれない
  • かかわり方を変える前に一回誰かに相談した方が良いかも
  • 家庭だけでコントロールできる問題じゃないかもしれない

「完璧にやらなきゃ」以外の新たな選択肢が見えてきます。

このように、一度冷静になって、「本当に?」「もしかしたら?」「別の方法は?」と疑問を投げることで、完璧を目指す以外の解決策が見えてくることがあります。

3.「完璧にやらなくても傷つかない」を経験する

根本の願い:傷つきたくない

完璧にやらなくても傷つかない経験を積むことで、「完璧じゃなくても大丈夫」と思考を切り替えていきます。

この願いを持つ人は、完璧を目指すことで、「人に聞くこと」によって起こるかもしれない、「傷つく体験」に遭遇する可能性を下げています。

つまり、「完璧を目指すことで、傷つく危険を回避」しようとしています。

そのため、「完璧でなくても傷つかないよ」を経験することが効果的なんです。

とはいえ、「傷つかないためには完璧を目指すしかない」と考えている人は、「傷つかないこと」が最大の目的になっていることも少なくありません。

そうすると、どうしても「完璧にやらない」という行動を選択しづらいのが現実。

でも、完璧主義をやめるためには、「完璧にやらなくても傷つかなかった」という経験を積むことが必要です。

そのためには、目的を「傷つかないこと」ではなく、「物理的な目的」に変えてしまう方法がおすすめ。

たとえば、「PC操作で分からないところがあるけど、聞いたらこんなことも分からないのかと思われそう」と不安に思っているケース。

このときに、「聞いても大丈夫だった。傷つかなかった」という経験ができると良いですよね。

そのために、目的を、感情ベースの「傷つかないこと」ではなく、物理的な「仕事を進めること」に置き換えます。

そうすると、「仕事を進めるためにはPC操作を解決しないと。解決はなるべく早い方が良い。そのためには人に聞かないといけない」とシステマティックに考え、行動を起こしやすくなります。

そして行動に起こし、実際親切に教えてもらって、

「自分ですべて解決しようとしなくても大丈夫だった。聞いても責められないから、完璧を目指さなくても良いんだ」

と経験できれば、徐々に完璧にやらないことも怖くなくなっていくはずです。

4.本来の理想を言語化して、完璧主義のすり替えを戻す

根本の願い:理想の自分でいたい

本来の理想に立ち戻ることで、「完璧を目指さなくても理想の自分でいられるんだ」という思考に切り替えていきます。

たとえば、

「人と約束したことは絶対に守れる自分でいたい」

と思っているケース。

実際は、約束したことを全部守るのは難しかったりします。

でも、約束を守れない自分を認められず、自分の実力以上に理想を目指している状態です。

この場合、もともとの理想がどこかに行き、本来の理想を超えて、完璧であること=理想となっていることも多いです。

気づかぬうちに、理想のすり替えが起こっているのです。

このすり替えによって、自分も人も辛い、柔軟性のない「どんなときでも約束は守らないといけない」という極端な完璧主義が生まれています。

そのため、一度理想を見直してみることが必要です。

「漠然とした完璧を目指す」のではなく、「理想を目指して行動する」方向にもう一度戻りましょう。

「人に指示したことは守れる自分でいたい」

この人の理想は、本来、「人に誠実であること」だったかもしれません。

そう考えると、「何が何でも人と約束したことは完璧に守らなきゃ」ではなく、「もしできていなかったら謝る」や「やむを得ないときには約束をし直す」など柔軟に対応することも、理想の自分につながる行動になりますよね。

おわりに

今回は完璧主義から自由になるための総仕上げとして、完璧を目指さない思考を定着させる方法を紹介しました。

不適応な完璧主義を手放す必要性を知り、できない自分を認めて、完璧主義を手放し、完璧を目指さない思考を定着させていくこと。

正直、時間がかかり、面倒くさくて、辛い作業です。

でも、この泥臭い作業が、今のストレスがかかりやすい状況を抜けだすために必要なことと信じています。

完璧主義から自由になるための
参考にしていただけたらうれしいです。

著者プロフィール
この記事を書いた人

ひとや仕事のことを知りたい1993年生まれ。発達障害のひとたちと関わる仕事をしている。好きな言葉は「適材適所」。

働きづらさ・生きづらさを改善する方法を毎日考えています。自分らしく生きていく方法を共有できればと思いブログを開設しました。

保有資格:国家資格キャリアコンサルタント/JADP認定メンタル心理カウンセラー/発達障害学習支援シニアサポーター

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